サテ坊

●BS新・鬼ヶ島●

ほのぼのしていながら感動の話でした。

コマンド選択型アドベンチャーゲーム

桃太郎をベースに色々な昔話を盛り込んだ、アドベンチャーゲームです。 ファミコンディスクシステムで前・後編にわけて発売されたソフトが元になっています。 最初に放送された時はアドベンチャーゲームって何だろうとついつい躊躇してしまい (アクションゲームみたいなものを想像してしまった)、 そんなに期待感は持たずに受信したのですが、コマンド選択、 メッセージウィンドウの画面構成を見て、 あっ、こういうタイプのゲームはアドベンチャーゲームって言うのか…と気がつきました。

4週間の放送でした

各1週間ずつ4話の放送、ディスクシステム本編では主人公は男の子(どんべ)と女の子(ひかり)なのですが、 今回は旅の仲間の犬のりんご、猿のまつのすけ、きじのおはなの話が1話ずつ、 第4話ではどんべとひかりが主人公になって鬼退治に挑むという流れです。

1話(1時間放送)が3章にわかれていて、時間制限(クリアタイムで成績が決まる) があるので大慌てのコマンド選択、 手に入れにくいスペシャルアイテムを探したり何かと忙しいのですが、 再チャレンジするごとに効率の良い方法が見つかり、確実にタイムが縮まって行くので、 1週間毎日、必死でコントローラーにかじりつくハメ(?)に・・・。

ストーリーは結構シリアス

ゲーム自体の雰囲気は明るいのですが、話(ゲーム)と話の間にある一体さん (声は永井一郎さん。サザエさんの波平とかの人です) というおじいさんの紙芝居風のお話を聞いていると、 結構シリアスなストーリーであることがわかります。 色々な話を混ぜ合わせて作ったとは思えないような、見事なストーリーなのです。 そしていつの間にか、新・鬼ヶ島の世界に引き込まれてしまうのです。

BS版を遊んで、ディスクシステム版の本編に興味を持った方も多かっただろうと思います。 私もそうで、ディスクシステムを手に入れて新・鬼ヶ島、前編・後編に書き換えました。 本編のほうは、BS版より全体的に重圧な雰囲気が流れています。 コメディチックには違いないのですが…。そして奥深いストーリーがまた泣けたりします。

音楽がとてもよかった!

そしてこのゲーム、音楽がまた素晴らしいです!!  ディスクシステム版の原曲を作曲したのは、マリオやゼルダでおなじみの近藤浩治さん。 BS版を遊んで、曲が凄く気に入っていたのですが、 近藤さんが作曲したということはマリオの攻略本に書いてあったのを偶然読んで知り、 とても驚きました。 メロディーがしんみりとした美しさがあるので、 近藤さんの曲の中でも新・鬼ヶ島の曲が特に好きという方も結構いるんじゃないかという気がします。

しかし忘れてはならないのが、このBS版の曲のアレンジの素晴らしさ。 原曲がシンプルに美しい曲であればあるほど、アレンジの時に飾りでゴテゴテになって、 曲の美しさが損なわれてしまうことが多い気がするのですが、 BS版の曲は原曲のよさを壊すどころか、更に人の心を揺さぶるものになっているのです。 名前までは覚えていないのですが、アレンジした方もこれまた凄い方だと思います。 もし新・鬼ヶ島のCDが出るとしたら、BS版はぜひ入れてほしいです。 ちなみに音質はSFCレベルではなく、CD並の音質の音声放送で流れていました。

サテラビューのイベントならでは

BS版を元にしたものとして、色々な要素の増えた平成新・鬼ヶ島というのが、 SFC書き換えとして出ましたが(後にSFCソフトとしても発売されました)、 時間制限という緊張感がないためかなぜか、BS版のように繰り返しは遊びませんでした。 花火ははかないから美しい、ではないですが、 限られているからこそ一心に情熱を注げたというのもあるのかも・・・?  ひとつのゲームを繰り返しやり込むきっかけが、サテラビューのイベントだったりしました。